| 日時: | 2022年12月16日(金) 15:00より |
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| 場所: | 大阪大学理学部H701号室 交通案内 |
| 14:55 - 15:00 | はじめに |
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| 15:00 - 17:00 | 講演・大西明「フェムトスコピーによるハドロン間相互作用の研究」 |
| 17:00 - 18:00 | 議論・コーヒータイム・ポスターセッション |
| 講師: | 大西明 氏 (京都大学基礎物理学研究所) |
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| 題目: | フェムトスコピーによるハドロン間相互作用の研究 |
| 概要: |
高エネルギー原子核衝突からの2粒子相関関数を用いたハドロン間相互作用の研究の基礎と最近の話題についてのレビューを行う。 粒子がほぼ独立に生成・放出される場合、2粒子相関関数は源関数(ソース関数)と相対波動関数の自乗の積分で与えられ(Koonin-Pratt(KP)公式)。このため波動関数既知の場合には粒子源の大きさを知ることができる(Hanbury-Brown-Twiss(HBT)効果)。一方で源関数が既知の場合には相関関数から相互作用の効果を含む波動関数の情報を得ることができる。後者の方法、すなわち相関関数からハドロン間相互作用の情報を得る研究が近年急速に進展しており、これらの一連の研究手法は「フェムトスコピー」と呼ばれている。 フェムトスコピーによるハドロン間相互作用の研究は、散乱実験が困難なハドロン対や運動量領域において特に有効である。例えばNΩ相互作用はこれまで実験情報が全くなかったが、フェムトスコピーによって格子QCDによって得られたポテンシャルの妥当性が初めて確認された。またK^-pやΛpは散乱データが存在するが、ビームが作りやすい高運動量領域に限られていた。フェムトスコピーでは粒子を同定し、核反応により直接作られたことの確認ができれば、寿命の短いハドロン対でも、また(相対)低運動領域でも測定可能であり、研究対象となるハドロン間相互作用が大きく広がる可能性がある。 理論的には(結合チャネルが無い場合には)ハドロン間の相互作用を与えて散乱の波動関数を解き、ソース関数を波動関数の自乗に掛けて積分するだけなので簡単なはずなのだが、その結果として現れる相関関数は非自明な振る舞いを示す。単純に考えれば引力が強くなるほど内側での波動関数が大きくなって相関関数は大きくなると想像される。ところが引力がある程度以上に強くなると束縛状態が現れ、相関関数にはdipが現れる。本講演では、こうした非自明な振る舞いをまず箱型ポテンシャルの場合に示してみる。また散乱振幅で相関関数を解析的に表わす模型(Lednicky-Lyuboshitz公式)をもちいて、散乱長とソースのサイズによって相関関数がどのように変化するか示す。 ハドロン散乱の一つの特徴は様々なハドロン対と結合し、散乱の中間段階で粒子の種類が変化する量子力学が必要となることであろう。こうした結合チャネル効果を考慮するとポテンシャル、あるいは(散乱長などの)低エネルギー散乱パラメータと相関関数の関係がややあいまいとなるが、異なる粒子源サイズからの相関関数を調べることにより、結合チャネル効果と低エネギー散乱パラメータをともに調べることができる。ここでは結合チャネル効果を含む相関関数公式(Koonin-Pratt-Lednicky-Lyuboshitz-Lyuboshitz(KPLLL)公式)を紹介し、実験データから結合チャネル効果を調べた研究について紹介する。 こうしたフェムトスコピーを用いたハドロン間相互作用の研究は、エキゾチックハドロンがハドロンの(準)束縛状態(ハドロン分子)なのか、あるいはコンパクトな多クォーク状態であるのかの判別を行う決定打となりうる。本講演の後半では(時間が許せば)、ハドロン物理学の中心課題であるエキゾチックハドロンの構造判別にフェムトスコピーが果たしうる役割について議論する。 |