Heavy Ion Pub

第41回Heavy Ion Pub 研究会

日時: 2024年10月4日(金) 15:00 - 18:10(第一部) 18:30 - 20:00(第二部)
場所: 奈良女子大学 理学部G棟 201 (地図の11番) 地図

プログラム

第一部
15:00 - 16:30 講演1・門内晶彦(大阪工業大学)「原子核衝突における有限密度のクォーク物質と状態方程式」
16:40 - 18:10 講演2・村上ひかり(名古屋大学)「重心系エネルギー13TeV陽子+陽子衝突における低横運動量直接光子生成」
第二部
18:30 - 20:30 Pubセッション (ポスター発表、軽食・ドリンクあり)

講演1

講師: 門内晶彦 氏(大阪工業大学)
題目: 原子核衝突における有限密度のクォーク物質と状態方程式
概要:

RHICやLHCなどの大型加速器における高エネルギー原子核衝突で生成されるクォークグルーオンプラズマは、相対論的な流体として振る舞うことが知られている。流体モデルに基づく理論計算と実験データの比較を通じて、量子色力学(QCD)の有限密度領域についての定量的な知見を得ることが重要課題の一つとして注目されている。本講演ではまず、系の保存荷電としてネットバリオン数、電荷、ストレンジネスを考慮した4次元のQCD状態方程式を論じる。状態方程式は系の熱力学的性質を特徴づける関係式であり流体モデルによる解析に必要不可欠であるが、これまで荷電比を固定することで変数を実質的に温度とネットバリオンの2つとする近似的な取り扱いがなされてきた。この制限を外すことで原子核衝突で探索される相図上の領域を示し、様々な衝突原子核種を含む系や、拡散やゆらぎを含んだ系に幅広く応用できる状態方程式を構築する。これによりビームエネルギー走査とよばれる中低エネルギー領域の原子核衝突を流体モデルで精密に取り扱うことが可能となる。また衝突原子核中の陽子と中性子を区別することが可能となるため、LHCやRHICにおける最高エネルギー領域の衝突において核構造についての知見を得ることができると期待される。

資料: PDF

講演2

講師: 村上ひかり 氏(名古屋大学)
題目: 重心系エネルギー13TeV陽子+陽子衝突における低横運動量直接光子生成
概要:

近年高粒子多重度陽子+陽子及び陽子+鉛衝突におけるハドロンの集団運動の発見をきっかけに小さい系でのQGP生成が注目を集めている。しかしそのような系におけるQGP生成を議論するためにはハドロン以外の観測量による検証が必要である。特に低横運動量直接光子は衝突で生じる系が熱化しているのかどうかという問いに答えることができる。本講演では重心系エネルギー13TeV陽子+陽子衝突における低横運動量直接光子の最初の測定結果を示し、小さい系におけるQGP生成について議論する。本測定は仮想光子法を用い、非弾性及び高多重陽子陽子衝突という二つの異なるイベントクラスで直接光子をミッドラピディティ(|η| < 0.8)及び1 < pT < 6 GeV/cの横運動量領域で測定した。得られた結果を非弾性pp衝突における直接光子の収量を摂動QCD計算やまた小さい系におけるQGP生成を仮定した粘性流体模型に基づく予想と比較した。積分光子収率を荷電粒子多重度の関数として調べ、他の実験や理論計算の結果と比較した。その結果、直接光子収量は荷電粒子多重度とともに大きく増加することがわかった。

資料: PowerPoint

参加者一覧

参加者36名